紹介
東京の西の郊外に敷地が隣接する小学校と中学校がありました。
敷地はフェンス1つで仕切られていました。
ところがある年、小中一貫校として新たに歩みはじめたのです。
フェンスは取りのぞかれ、1つの大きな敷地のなかに、
それまでの小学校と中学校の校舎を1つにつなぐ
中央接続棟ができました。…中略…でも、ここに至るまでには
実にさまざまなことが検討され、長い話し合いがおこなわれ、
しっかりと手続きをとらなければなりませんでした。
『最後の授業』という短編小説があります。
これは、フランス第三共和政時代の初期、1873年に出版された
アルフォンス・ドーデの作品で、フランスとドイツの国境地域に
位置するアルザス・ロレーヌ地方のある学校の授業について
書かれたものです。
「私がここで、フランス語の授業をするのは、これが最後です。
普仏戦争でフランスが負けたため、アルザスは、
ドイツ語しか教えてはいけないことになりました。
これが、私のフランス語の、最後の授業です」と。
この地方では、ローマ帝国に支配された後は、
歴史の中で幾度となく争いがおこっていましたが、
1871年に普仏戦争でフランスが敗れると、
その一部がプロイセン(ドイツ帝国)のものになりました。
…中略…
「共同体」とは、血縁や地域のつながりによる
集団のことですが、EUのように国どうしの共同体
(地域共同体)もあります。
ASEANやOPECなどは、毎日のように新聞やテレビの
ニュースに出てきますが、そうした共同体は、名前は
よく聞くものの何のことかわからないで聞き流している人も
少なくありません。
この本では、そうした共同体について、
その共同体がつくられた背景から、経緯、どんな組織か、
また、日本との関係などについて、次の3巻にわけて見ていきます。
1巻 国連組織
2巻 地域共同体
3巻 経済共同体
冒頭に、学校が統合されたという身近な事実について
紹介しましたが、それができるまでには、
とても多くの人が知恵を出しあいました。
では、国と国との場合にはどうなのでしょう。
基本的には、人びとが知恵をだしあっていることに
違いはありません。
このことを頭におきながら、
この本を読んでいってほしいと思います。
きっとこの本は「じてん」でありながら、
人類の知恵を知るためのすばらしい読み物にもなるはずです。